あるブラック企業での出来事
ブラック企業の現状
ある地方の中小企業(給料は歩合制)で聞いた話である。その会社は同族企業で、同族以外は給与水準が低く、かつ歩合制で不安定だった。
また、降格人事も日常茶飯事だったので離職率も高く、多くの社員が入っては辞めていったという。
会社の業績も芳しくなく、ピーク時の半分まで落ち込んでいるとのこと。
また、最近では離職率が高いという風評もあってか、入ってくる人はほとんどいないそうだ。
クレジットカード事件!?
ある拠点の所長(管理職)が、取引先との付き合いでクレジットカードをつくることになり、数名の部下にも依頼して複数枚つくることになった。これで、取引先への借りもできるはずだったが、逆に恥をかくことになってしまった。
というのも、所長を含め全員がカードの審査に落ちてしまったからだ。
恐らく、その取引先もビックリしたはずだ。
その後も悲劇は続く
結局、その所長は多重債務状態にあったようで、退職直後に自己破産したという。また、カードを申請した部下もその頃と前後して退職したそうです。
その後に入社した社員も多くが退職し、残った社員でジリ貧状態のなか、切り盛りしているようだ。
当然、社員の高齢化は進み、社員のほうも金銭的に厳しく、定年後も続けざるを得ない状況にあるという。
辞めた人たちのその後
この会社を辞めた人たちからは「タクシー運転手に転職して大幅に収入がアップした」とか「普通の中小企業に転職して収入が倍になった」などなど、様々な話を聞いている。コロナショックの影響もあるであろうこの会社がどこまで続くのか、この先も注目したい。
高学歴によるワーキングプアの問題
最近、金曜ロードショーで放送されたとなりのトトロを見た人々から、父親の高学歴ワーキングプアに対する指摘があった。となりのトトロに出てくる父親は非常勤講師として大学で考古学を教え、その傍で中国語の翻訳をしていると言われているが、その収入で2人の娘を養い、妻を病院に入院させることができるのかという問題が指摘されていた。
近年、このような高学歴でありながらそれに見合った仕事につけない人が増えている。
大学院を卒業すると就職が難しくなるとも言われており、特に博士課程を修了してしまうとまず一般企業への就職が難しい。
その一方で大学への就職も徐々に不可能になっており、博士課程を修了するという事はワーキングプアへの道を切り開くのと同じなのではないかと言われている。
大学で非常勤講師をしたとしても、専任教諭になれるかどうか保証はなく、さらになれたとしてもそれは非常勤講師を何年も経験してからのことであり、特に家族を養う事は難しくなるのではないだろうか。
就職の問題と合わせて、高学歴の人間が就職できる場所があるのかどうか、今一度考えていかなければならないと思う。