車両料率クラスにおける保険料の違い

車両料率クラスとは

自動車保険の保険料はノンフリート等級によって割引率が異なるため、契約者の等級によって金額が異なってくる。
実は、それ以外にも、車自体の危険度を表す「車両料率クラス」によっても金額が変わる。


車には型式というものがあり、同じ車種でも形式の違う車が販売されている。
そして、過去の自動車事故の統計から型式ごとに保険料の料率クラスが設定されている。
つまり、事故を起こす危険性の高い車は料率クラスが高く、安全な車は料率クラスが低くなっている。
また、同じ車種であっても、ボディタイプや搭載エンジンによって型式が違っており、料率クラスの変わることがある。



料率クラスの内容

どの保険会社の自動車保険においても保険料算出の基準とされているのが、車の型式ごとに設定されている車両料率クラスである。
料率クラスは2019年までは1から9までの9段階だったが、2020年より各クラスが2分割され、全部で17クラスに細分化された。
クラスの数字が小さいほど、事故の履歴が少ないことから保険料が安く、数字が大きいほど高くなります。


なお過去、自家用軽四輪乗用車については型式別料率クラス制度が設けられておらず、どの型式でも保険料率は同じだった。
しかし、自家用軽四輪自動車にも様々なタイプが出てきていることから、2020年から型式別料率クラスが導入されることになった。
ただ、自家用軽四輪乗用車のクラス数は保険料の急激な上昇を抑えるため、17クラスではなく3クラスとされている。



車両料率クラスの設定

型式ごとのクラスを決定しているのは「損害保険料率算出機構」である。
全ての保険会社が同機構の設定した型式別クラス表を採用しているため、保険会社によって料率クラスが変わるということは無い。


例えば、スポーツカータイプは事故のリスクが高いため、料率クラスの数字が大きくなる。
一方、コンパクトカーのようなファミリータイプは比較的事故のリスクが低いことから数字が小さくなっている。


なお、料率クラスは常に同じ数値ではなく、毎年見直されている。
前年において、事故や盗難件数が多かった車はクラスがアップされ、逆に事故や盗難の少なかった車はダウンすることになる。


クラスの見直しにおける考え方はどの形式でも同じであり、リスクが高い場合はプラス1またはプラス2へ移動する。
リスクが低い場合は、マイナス1またはマイナス2へのクラス移動となる。

車両料率クラスの違いによる保険料の差

従来、クラスが1つ上がると、同じ保障内容でも保険料に20~30%の開きが生じていた。
また、最安クラス1と最高クラス9の保険料の差は約3倍だった。
それが、新制度ではクラスが約2倍に細分化されたため、クラスごとの保険料の差は2分の1の約10%になったが、最安と最高の保険料の差は約4倍と大きくなっている。


一方、自家用軽四輪乗用車のクラス間の保険料率の格差は約10%である。
従って、新たな契約ではリスクに応じて、現行の保険料率よりも約10%高くなるか、または低くなる。


ちなみに、型式別料率クラスは損害保険料率算出機構のHPで検索することができる。
自分の車の型式は車検証の型式欄を見れば分かる。
ハイフン後のアルファベットと数字の組み合わせ部分を入力すると、料率クラスが表示される。



新着記事