医療保険の給付タイプにおける日額型と実損補填型

医療保険における保険金の給付

日本人は堅実な性格のためか、様々な保険に加入する人の割合が非常に高くなっている。
その保険の一つに「医療保険」がある。
医療保険というのは、基本的に病気やケガで入院した時にその入院費用を補償する保険のことである。
従って、通院しただけでは何日通院しても補償の対象にはならない。


また、医療保険の保険金は入院した場合に、入院日数に対して「1日いくら」という単価で支払われる契約になっている。
病気やケガによる入院が前提なのため、健康診断や人間ドック、検査のための入院は補償対象から除外される。
そして、出産も病気ではないため、補償の対象には含まれない。



免責期間

医療保険で注意を必要とするのが免責期間である。
免責期間というのは、仮に契約者が入院したとしても、保険会社が補償を免責される一定の期間のことである。
例えば、免責日数が5日間と設定されていると、6日以上入院した場合に給付金が支払われることになる。


また、支払われる金額は6日目から退院した日までの日数を基に算出される。
なお、医療保険では、1回当たりの入院に対して補償される日数分が限定されており、60日や120日、180日などから選択することになる。


また、一度退院したとしても、同じ病状によって再入院した場合は継続入院と見做され、1回目の入院日数枠に含まれることになる。
ちなみに、近年は免責期間を設けず、日帰りの入院でも補償されるという保険もできている。



日額型給付タイプ

医療保険の保険金の給付タイプには、大きく分けて「日額型」と「実損補填型」がある。
一般的に、保険金の給付は日額型になっており、入院1日当り〇〇円、通院1日当たり〇〇円といった形で給付される。


例えば、給付金が1日当たり1万円の保険に加入していた場合、治療のために30日間入院すれば、30万円(1万円×30日)の給付金を受取れる。
日額型の場合は定額の給付金が支払われるため、実際の医療費より多く支払われることもあれば、自己負担分をカバーできないこともあり得る。
医療保険は医療費の多寡に関わりなく、健康保険における自己負担分として支払った入院費や手術費、差額ベッド代など、かかった費用全額が給付対象とされる。
さらに、健康保険の適用されない先進医療や自由診療を受けた費用も補償の対象となる。

実損補填型給付タイプ

近年、損害保険系の保険会社を中心に、「自己負担ゼロ」を特徴とする「実損補填型」と呼ばれる医療保険が販売されている。
その名の通り、実際にかかった費用全額の保険金が給付される。
そして、実損補填型のメリットには、入院しない場合でも費用が補償されるということも挙げられる。
実損補填型はまさに完全補償と言えるが、中には上限が100万円までと設定されている保険もある。
上限の設定されている医療保険は保険料が安くなっている。


なお、実損補填型の場合は保険期間が5年や10年といった定期型しかなく、日額型のような終身型の保険が無い。
従って、若い時は良いが、高齢になると更新するごとに保険料が高くなっていくというデメリットを抱えている。



新着記事