労働審判の欠陥

労働審判とは

労働審判とは日本の法制度の一つであって、職業裁判官である労働審判官と民間出身の労働審判員とで構成される労働審判委員会が、労働者と使用者との間の民事紛争に関する解決案をあっせんして、当該紛争の解決を図る手続をいう。
というのが定義であるが、簡単に言えば調停である。
少額訴訟もそうだが円卓で、互いに歩み寄りをするというのが目的だ。


いい面としては短期的に解決するので、双方が負担がかからない。
7割程度の解決があり、それなりに用途としては一見するとはたしているように見えるが実際は、おおきな欠陥もある事が利用すると解る事になる。

実際のやりとりは殺伐としている

通常の訴訟とはどういうやり取りをしているか?というのをあまり知らないと思います。
実は犠牲陳述と言われるくらい、刑事事件と大きく違う点は必ず出廷しなくてもいいという事があります。


ところが労働審判は3回必ず出廷しなければなりません。
ちなみに、出廷を反故にすると罰金5万円というペナルティーがあります。
逆説ですが、この5万払ってしらばっくれるという方法もなくもないのかもしれません。


円卓なのでやんわり感があると思いきや、原告と被告双方に分かれて法廷指揮が取られるわけではないので、特に訴えられた企業側は弁護士という後ろ盾があるので、いいたい事を好きなだけ言ってきます。
非常に殺伐としたやりとりが現実なのです。
加えて弁護士つまり代理人を必ずしも原告が雇えるとも限りません。



私の経験から

この法廷指揮を執っている審議官は、あくまで調停という事ですので話合いがあまりに困難であると、3回ある審議を中断し突然判決を出す事があります。
これに異議を唱える場合、通常訴訟という事になります。
これは私の案件でしたが、パワハラを労働審判で訴える事になりました。


ところが2回目の準備書面を作って出廷したところ、相手方の言い分だけを聞き入れて判決が下されました。
私は異議を申し立てしましたが、審議官の判決は覆る事がありませんでした。
敗訴という結果は、ほぼ自分で申立書と印紙代、予納(切手余ると裁判所から返されます。
ちなみに、この返された切手はFAXで受取書に判子ついて送る必要があります)、合計5000円程度でしたが、とても残念な結果となりました。


実感としてはパワハラなどの証拠立証が難しい案件は、労働審判には向かないと思いました。



酷い例もあります

これは女性の経験談ですが、相手方の弁護士と雇い主に散々立証ができない罵詈雑言を言われ、心のない仕打ちに女性は気分が悪くなり、続行を断念したそうです。
本来、こうした行き過ぎた表現などは審議官がしっかり法廷指揮を取るべき話ですが、裁判官と違って相手の主張する話に誓約をもうけている訳ではないのかもしれません。
その分、通常訴訟よりより辛辣な表現であってもそれは、記録として残しているというよりは相手にダメージを与える事が重要にどちらもなって行き、感情的な部分が晒されるのかもしれません。


それが道理に合っているかどうかではなく、あくまで勝つか負けるかの話これは裁判ではままある事ではあると思います。
私も敗訴したその帰りに、裁判が終わったと思われる人達が、裁判外で言い合っている姿を見ました。
それを見て、自分はまだこれ程の自体ではないと幾分慰めになりました。



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