落語の演目

名人立川談志の真骨頂

名人落語家の立川談志が「落語は人間の業の肯定である」と、分かったようなわかってないような不思議な言葉を残して逝った。 

私自身が勝手に解釈すると、落語とは単なるお笑いの一人芝居ではなく、人々が思ったり、感じたり、想像したり、悩んだりと、あらゆる人間の想像的感情を「人間の業」とし言葉として具現化したものである。 


極端な見方だが芝居に例えると歌舞伎に似ているところがあるかもしれないし、立川談志はあらゆる面で博識であり、想像力も逞しいだけに一人歌舞伎を演じていたのかもしれない。



古典演劇と言われる落語を聞く

お笑いといえば落語や演芸が若い頃より大好きで、テレビやラジオ、そして最近ではパソコンのインターネットを利用して、Youtubeなどからダウンロードして、ICレコーダーで散歩の時など、音声を聴きながら楽しんでます。 

テレビなどに出ている最近の若手の落語家は余り知りませんので、どちらかと言うと往年の一生を風靡したベテラン落語家が多く、ネタも古典落語が多いです。 


そんな立川談志一寸しわがれた声は時によって聞きにくい面も有りますが、流石(さすが)に立川家元と言われるだけあって、内容的には実に歯切れが良くて聴いてて気持ちがいいです。 

其の中でも私が好んで聞いている新旧の私的ベストテンについて紹介したいと思います。



私的に選んだおすすめ新旧落語演目

金馬師匠の「居酒屋」

先代の金馬師匠で其の中でも居酒屋は私自身が呑兵衛でも有りますので呑助の心意気が判り伝わってくるのです。 

酒好きの男と居酒屋の小僧のやり取りが実に可笑しいのです。

文治師匠の「禁酒番屋」

先代師匠の文治ですが、江戸言葉の研究家としても知られます。

演目は酒乱で藩に迷惑を掛けたために以降は藩内に禁酒令がでるが、呑兵衛の藩士はある藩士はどうしても酒が呑みたいために何とか注文して酒を持って来られせようとするが、その内門番が小便を飲む果になる。

小三冶師匠の「初天神」

今では人間国宝の小三治ですが、若かりし頃の歯切れのいい語りで、お祭りのときの子供と親父のやり取りが何とも言えず、ユーモラスなのです。

志ん生師匠の「替り目」

落語の天才と言われる先代師匠ですが、酔っ払って演席に出てそのまま寝てしまった、等の噂があります。 
この演目は酔っ払った亭主と愛妻の女房のやり取りが何とも言えない味があるのです。 

円歌師匠の「中沢家の人々」

お馴染み先代の円歌師匠ですが、落語と坊さんの2足のわらじでも知られますが、「山のアナアナ・・」でもしられますが、1時間少々の長い中沢家は半分は事実らしく、何度聞いても飽きません。

その他の演目でおすすめのやつは?

他には円生師匠の「八五郎出世」、歌丸師匠の人情噺の「井戸の茶碗」そして談志師匠の「粗忽長屋」で、「死んでるのは確かに私だが、抱いてる俺は一体誰なんだ」というのがオチですね。 

権太楼師匠の「代書屋」や24時間マラソンで頑張った林家たい平師匠の「青菜」、其れに売り出し中の鹿児島出身で鹿児島弁丸出しで演じる歌之介師匠の「爆笑龍馬伝」等々、かってに私の好きな落語の演目を挙げてみました。

» おすすめの古典落語家についてはコチラ



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