テレビのニュースについて

とある日の夕方のこと

その日は確か日曜日だったと思うのだが、夫婦で夕飯のメニューを話し合いながら何となくテレビニュースを流している際、速報が入ったようで、アナウンサーの方がバタバタとしながら原稿を受け取り、話し始めた。

画面も切り替わり、テレビの中では民家が燃えている映像が映し出されたのだ。
時期的にも乾燥している冬だったので、火事のニュースは頻繁にあり、それほど珍しくもなかったので、びっくりすることもなかったんだが、その場所がとんでもない場所だった。



アナウンスされた場所に驚き

テレビの中のアナウンサーの方が発した住所に、夫婦でその画面を凝視することになった。

なんと、その火事の現場は、自分たちが住んでいる市だったのだ。

まぁ同じ市と言えど、それなりの広さはあるので、気にするほどでもないのだが、ただ、きっと見たことはある場所だろうということで、二人で場所の特定をするべく、その画面をのぞき込んだ。

お互いに、これは、あの道路の脇じゃないかとか、きっと、あのお店の近くの通りだよねなどと話していたのだが、人の記憶というのは曖昧で微妙にその場所の特定には至らなかった。



画面の中の火事なんだけど・・・

そんな話をしている間にも、画面の中で燃え盛る火は衰えることなく、どんどんと燃え上がっていった。
丸々と一軒を焼き尽くしていく炎。

どうやらその火事は新興住宅地の中で起きたようで、隣近所にも複数の一軒家が立ち並んでいたようだ。
そんな中、消火活動はづづけられ、きっとあの隣の家も結構な被害にあっちゃうよねなどと二人で苦笑いの談笑。

そして、画面の中では、取材なのかヘリコプターまで飛んできていた。
けれど、そのヘリコプターの音にその時、違和感を覚えたのだ。

テレビの音と重なった

ヘリコプターの飛行する音が何故かテレビの中からも外からも聞こえてきたのだ。
まさかと思い、二人顔を見合わせ、もしかして家から見えるところじゃないか?

という話になり、ちょっと探しに行ってみる?と外へ出た時、道路と田んぼ一反を挟んだ先の家が火事になっていたのだ。

テレビで見た光景が目の前で起きていて、テレビの中にあったヘリコプターがその空を飛んで、火柱は空高くにまで登っていた。


後日何となくその家の前を車で通りすぎた時、本当にすべてが燃えて跡形もなくなってしまっていた。


幸い家の方には被害はなかったようで、それだけでもよかったのかもしれない。

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